慰謝料を請求できない場合

 配偶者が、不貞行為の相手方に対して慰謝料を請求できない場合があります。次に請求できな場合をご紹介します。

 1 慰謝料請求権について
 不貞行為の相手方に対しては、原則として、慰謝料を請求することができます。これは、昭和54年3月30日の最高裁判例で認められています。ただ、離婚をしないで共同不法行為者の一方のみに対する慰謝料請求を認めることは、夫婦が共謀して美人局(つつもたせ)をすることを助長させるものとして、反対する少数有力学説があります。

 私としては、この少数有力学説を支持しますが、最高裁の考え方が変更することは、現在のところはないと予想しています。ただ、この少数有力学説の存在が、慰謝料の増大を抑止する役割を担うだろうと考えていますし、また、裁判所は慰謝料の増額には慎重であるともいわれています。

 2 配偶者が不貞行為をしても慰謝料の請求をできない場合
 (1) 平成8年3月26日の最高裁判例は、夫婦の婚姻関係がすでに破綻している場合には、慰謝料を請求できないと判断しました。

 (2) すでに時効(3年、民法724条前段)が成立している場合です。また、財産分与請求権の時効期間は、離婚が成立してから2年ですのでご注意ください(民法768条2項ただし書)